外傷性骨化性筋炎(がいしょうせいこっかせいきんえん) 

 

本来、骨組織が存在しない部位に発生する骨化と定義されています。
異所性骨化症と診断されることもありますが、骨化性筋炎と同じ傷病名です。
筋肉、腱、靭帯、臓器、関節包などの軟部組織に、石灰が沈着して異所的骨形成が起こるのです。
外傷性骨化性筋炎は、筋肉の炎症に引き続き、カルシウムが沈着し、石灰化現象が起こって筋組織の中に骨が形成されることを意味しているのです。
血液検査による血中ALPの数値、XP画像、骨シンチグラム検査で確定診断が容易です。
骨化筋炎、異所性骨化症は、以下の経過をたどって進行していきます。
①受傷、筋組織の損傷と血腫の形成、
⇒②血腫の吸収と同時に石灰化が生じる、
⇒③約2週間で石灰化部分が拡がる、
⇒④3、4週間を経過すると、石灰化した部分が明瞭となり、骨化がXPで鮮明となる、
⇒⑤約4、5カ月、患部を愛護的に動かしてやれば、骨化した部分が徐々に小さくなっていく、
図149-1.gif

受傷直後は、RICE処置が重要であり、これにより、血腫の拡大を防ぐことができます。
患部の修復が始まる2~3週間位は、固定し、患部への刺激は極力避けるのがベターです。
血腫が徐々に減り、石灰化した部位がXPで確認できる段階となれば、固定を外します。
固定を外しても、無理やり動かすリハビリを実施するのは逆効果、タブーです。
痛みを伴わない角度の範囲内でストレッチや関節運動を開始します。
これで、骨化した部分は徐々に消失し、それに伴って、可動域も回復します。
外傷性骨化性筋炎は、打撲に対する不適切なケアがもたらす長期的な合併症なのです。
外傷性骨化性筋炎における後遺障害のポイント
1)血液検査による血中ALPの数値、XP画像、骨シンチグラム検査で確定診断が容易であり、これに対する治療法も確立されています。
大きな血腫では、血栓溶解剤を血腫内に注射し、固まった血腫を溶かして吸い出す治療も実施されており、この方法であれば、3週間前後で治癒すると報告されています。

大きな血腫ではなく、筋肉内に広範囲に拡がる点状出血では、上記の治療はできず、自然治癒を待つしかありません。やや、時間がかかることもありますが、いずれも、後遺障害を残すことなく、改善が得られるようです。

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