121 膝関節内骨折 脛骨顆部骨折(けいこつかぶこっせつ)

 

診断書には、脛骨顆部骨折、脛骨近位端骨折、脛骨高原骨折、プラトー骨折と記載されていますが、いずれにしても、同一の傷病です。

121-1.jpg

脛骨の上端部の外側部を外顆、内側部を内顆と呼んでいます。
脛骨顆部骨折は、外顆に多く、陥没骨折の形態となるのが特徴です。
脛骨顆部骨折は、膝に衝撃が加わった際に多く発症します。
膝に対する衝撃なので、脛骨顆部骨折は単独で起こることは少なく、通常は、膝の靭帯損傷や脱臼、膝蓋骨骨折などを伴います。
イラストでは、骨の上端部がホンの少し骨折したイメージですが、軟骨損傷を伴い重傷です。
上肢・下肢とも、関節部の骨折は関節の運動制限や骨癒合の不良を伴い、難治性です。
症状は、受傷直後から、激痛、腫脹、膝の変形、痛みによる運動制限などが出現し、ほとんどで歩くことができません。
診断は、単純XP撮影が中心ですが、軟骨損傷、靱帯損傷、半月板損傷などを想定するのであれば、MRIや関節鏡検査が有用です。
脛骨顆部は海綿状の骨であるところから、骨欠損部には骨移植を必要とし、強固な内固定が得られにくいのが特徴です。
転位のないものは、保存的にギプス固定となりますが、多くは手術となります。
陥没骨折では、膝部外顆関節面の軟骨損傷を伴うことから、後遺障害を残し、5~10年の経過で、深刻な場合は、変形性関節症に発展することも予想されます。
①②③は、外顆部の骨折と陥没骨折です。
④⑤⑥では、外顆、内顆、全体の骨折で、陥没変形をきたしています。
②④では腓骨の骨折を伴うこともあります。
②陥没骨折に加えて骨折片転位が認められるときは、関節面を戻すとともに骨折片をスクリューまたはプレートで整復固定がなされています。

121-2.jpg

③陥没骨折では、陥没部の真下側に穴をあけ、関節面を整復し、できた空洞に自分の腸骨や人工骨を埋め、スクリューで固定します。
④⑤⑥内顆骨折では、僅かな転位でも内反変形=O脚変形となることが予想され、放置すると、将来、変形性関節症になりやすいので、手術によりしっかりと固定しなければなりません。
関節面に段差のあるときは、骨移植、内固定をしっかり行うことは当然なのですが、関節鏡を使用して合併する靭帯損傷を修復し、半月板損傷は可能であれば縫合、不可能であれば切除し、関節面の整復を正確に実施する必要があります。
不完全な治療が行われたときは、被害者は近い将来、外傷性膝関節症に悩まされることになります。
関節面の段差の程度により、関節鏡を使用して、軟骨損傷、靱帯損傷、半月板損傷などを検証、診断し、治療を行います。
この骨折の治療期間は全荷重が許可されるまで一般的には8~12週間を要しています。
術後は、膝の可動域制限を防止する観点から、CPM=持続的他動運動器を使用されています。

121-3.jpg

膝関節内骨折 脛骨顆部骨折における後遺障害のポイント

1)後遺障害の対象は、膝関節の可動域制限と疼痛です。
脛骨顆部骨折は、関節の機能障害で、12級7号が認定される可能性があります。関節鏡術が進化したこともあり、機能障害もある程度軽減されるため、10級11号までの制限の残存は減少傾向となっています。障害の理由については、3DCTで骨癒合状況を、MRIで軟骨損傷のレベルを立証します。
2)膝関節の疼痛では、患側と健側の膝関節部について、XP正面像の撮影を受けます。
2つの比較で、患側の関節裂隙狭小化を立証します。
さらに、MRI、3DCTで軟骨下の骨硬化や関節面の不整などを立証することができれば、局部の頑固な神経症状として12級13号が認定される可能性があります。
3)骨移植による腸骨の変形は、体幹骨の変形として12級5号ですが、裸体で変形が確認できることが認定の要件です。脛骨顆部の陥没骨折であれば、骨採取も少なく、腸骨後方からの骨採取により変形が目立つこともなく、要件を満たさないことが大半であり、人工骨を用いた骨移植は後遺障害として考慮されません。
4)不完全な治療が行われた結果、2分の1以下の可動域制限と膝部の疼痛を残しているときは、治療先でXP、必要に応じて画像診断クリニックで3DCT、MRI撮影を受け、変形性骨癒合、軟骨損傷、関節面の不整、軟骨下の骨硬化を丁寧に立証すれば、10級11号の認定の可能性があります。

この記事を書いた人

弁護士法人江原総合法律事務所

埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。

相談料金・着手金0円 交通事故無料法律相談のご予約 TEL:048-940-3971 受付時間 平日9時~22時 土曜10時~18時

交通事故に関する法律相談のご予約はこちら

  • 交通事故無料法律相談のご予約
  • 交通事故に詳しい専門家に相談したい
  • 治療で仕事に行けない・・・どうしたらいい?
  • 保険会社が厳しいことを言ってくる
  • 賠償額がいくらになるのか知りたい
  • 後遺障害等級認定が取れるのか知りたい
  • 法律事務所との連携をお考えの方へ
  • 交通事故に詳しい専門家に相談したい
  • 治療で仕事に行けない…どうしたらいい?
  • 保険会社が厳しいことを言ってくる
  • 賠償金額がいくらになるのか知りたい
  • 後遺障害等級認定が取れるのか知りたい
  • 法律事務所との連携をお考えの方へ