92 右腓骨遠位端線損傷

92-1.jpg92-2.jpg

 

足関節の脛骨および腓骨の遠位端には成長軟骨層があり、骨端核を中心に成長していきます。

骨端線損傷は、骨の骨端線部分およびその周囲に起こる骨折のことです。

成長期ではどんどん骨組織が発達します。

下腿骨の脛骨と腓骨が、どんどん伸びていくのです。

この時期に足の捻挫などにより骨端線=成長軟骨部分を損傷することがあります。

足関節を構成する脛骨および腓骨の遠位端には成長軟骨層があり、骨端核を中心に成長と共に成人の骨へと変化していくのですが、骨端部分が成人に近い状態にまで完成されても、脛骨と腓骨の成長が終了するまでは、骨幹と骨端の間に骨端線が残っています。

 

骨端線部分は完成された骨よりも当然に、強度が弱く、外力による影響を受けやすい部分であることから、強い外力の働いた捻挫や衝撃で骨端線損傷を起こしやすいのです。

損傷の程度が軽いものでは、レントゲン検査でも分かりにくく、捻挫と診断されるようなものから、骨端線からきれいに骨折している重傷例まで、いくつかの種類に分かれます。

 

問題なのは、骨端線骨折は、癒合を果たしたとしても、くっきり線が残っており、痛めやすく、骨折しやすくなることです。

そして、交通事故外傷では、癒合で完治と断定することはできません。

成長著しい幼児~10代は、爆発的に骨組織が伸長するので、容易に癒合します。

しかし、その後、骨折しなかった方の足と比べ、転位や骨成長の左右差、軟骨の不具合による関節裂隙の左右差などが残存することがあります。

これが可動域制限や、疼痛などにつながれば後遺障害の対象となります。

 

右腓骨遠位端線損傷における後遺障害のポイント

 

1)骨端線損傷で重要なことは、骨端線の閉鎖と、変形治癒の可能性の診断です。

骨端線の閉鎖では、脛骨や腓骨のどちらか一方、もしくは両方の成長がストップすることで、例えば、脛骨の骨端線だけが閉鎖し、腓骨の骨端線が成長を続けると、成長に伴って足関節が内反変形を起こすことになります。また、脛骨と腓骨の両方の骨端線が閉鎖したときは、足関節の変形は防げても、下腿の成長が止まるため、左右の脚長差、短縮障害を残します。

また、骨折片の転位や骨折線が関節軟骨におよぶと変形治癒を残します。

 

下肢の短縮障害

等級

内容

85

一下肢を5cm以上短縮したもの、

108

一下肢を3cm以上短縮したもの、

138

一下肢を1cm以上短縮したもの、

上肢に短縮障害はありません。

 

2) 外傷性内反足の認定の他、右腓骨遠位端線損傷に伴う短縮障害も検討することになります。

 

骨端線損傷のパターン

①正常なもの、

92-3.jpg

②脛骨の骨端線を横断するように骨端線が離開したもの、
92-4.jpg

③高所より落下、足底方向から強い衝撃を受けたとき、成長板の圧迫骨折となったもの、

92-5.jpg

④脛骨に上方から外力が作用したとき、足関節の強い捻挫で脛骨々端核が垂直や斜め骨折、

92-6.jpg

 

⑤脛骨々端の斜骨折、腓骨の斜骨折

92-7.jpg

⑥脛骨々端の内側を斜骨折、腓骨の骨端線で屈曲骨折したもの、

92-8.jpg

 

関連する当事務所の解決事例

事例44 不適切な後遺障害診断書が作成された事案について、弁護士が別病院に被害者と同行し、適正な後遺障害診断書を作成していただいた上で、10等級の後遺障害認定を受け、過失相殺の割合についても、当初の保険会社主張よりも有利に修正させた上で、既払いの治療費や休業損害約350万円の他に、1800万円の賠償金を取得した事例

この記事を書いた人

弁護士法人江原総合法律事務所

埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。

相談料金・着手金0円 交通事故無料法律相談のご予約 TEL:048-940-3971 受付時間 平日9時~22時 土曜10時~18時

交通事故に関する法律相談のご予約はこちら

  • 交通事故無料法律相談のご予約
  • 交通事故に詳しい専門家に相談したい
  • 治療で仕事に行けない・・・どうしたらいい?
  • 保険会社が厳しいことを言ってくる
  • 賠償額がいくらになるのか知りたい
  • 後遺障害等級認定が取れるのか知りたい
  • 法律事務所との連携をお考えの方へ
  • 交通事故に詳しい専門家に相談したい
  • 治療で仕事に行けない…どうしたらいい?
  • 保険会社が厳しいことを言ってくる
  • 賠償金額がいくらになるのか知りたい
  • 後遺障害等級認定が取れるのか知りたい
  • 法律事務所との連携をお考えの方へ