216 外傷性胸部圧迫症

 

 

顔面の溶血と腫脹            眼瞼結膜の点状出血

 

外傷性胸部圧迫症は、機械に挟まれる、階段で将棋倒しになる、土砂に埋まるなど、胸部を強く圧迫されて発症します。

交通事故では、2人乗りでバイクを運転中、自動車と衝突、バイクの後部に同乗中の被害者が投げ出され、胸部を強くたたきつけたことで発症した例等があります。

 

声門が閉鎖された状態で、胸郭に大きな外力を受けると、気道内圧と血管内圧が上昇します。

大静脈、頚静脈には、逆流防止の弁がなく、胸部圧迫により上大静脈圧が上昇し、頭頚部や肺の小静脈や毛細血管が破綻、出血することにより、顔面や頚部を中心に紫紅色の腫脹と多数の溢血斑が出現、外傷性胸部圧迫症独特の顔となり、加えて、眼瞼結膜の点状出血も認められます。

意識障害や肺におけるガス交換障害により、低酸素血症が生じることがあります。

 

低酸素血症と脳障害のレベルにより、後遺障害等級も決まります。

 

※声門

 

閉じた状態           開いた状態

声門とは、左右の声帯の間にある、息の通る狭いすきまで、声帯とは喉にある2枚のヒダです。

2枚のヒダが合わさり、高速振動することにより、声が出るのです。

ヒトが呼吸をしているときは、空気を多く通すために声帯は開いています。

声門が閉鎖しているとは、息を止めているときです。

また、声を出そうとすると、声帯付近の筋肉が緊張し、声帯のヒダが互いに寄せられます。

寄せられた声帯の間から息が通り抜けることで、声帯は振動し、声になるのです。

 

顔面・頚部の点状出血と、皮膚が紫色になるチアノーゼ、舌や口唇の腫脹、眼瞼結膜の点状出血、意識障害などが現れます。

肋骨々折や肺挫傷を伴うときにも、これらの症状が出現します。

 

※結膜下出血

 

 

結膜に存在する大小の血管が破れて、結膜の下に出血が広がるもので、小さな点状から、斑状や眼球結膜全体を覆う広範なものがあります。

目がごろごろしますが、痛みなどはなく、眼球内部に血液が入ることもないので、視力の低下、視野の狭窄はありません。時間の経過で、自然に吸収されるので、心配することもありません。

 

 

正面から見える目の表面は、黒目は角膜、白目は強膜で覆われています。

この内、白目はさらに膜でおおわれており、それを眼球結膜と呼んでいます。

眼球結膜は目の奥で反転、上下のまぶたの裏側まで覆っています。

まぶたの裏側の膜は、眼瞼結膜といいます。

角膜は血管を持っていませんが、結膜には、大小の血管が多数存在しています。

 

外傷性胸部圧迫症における後遺障害のポイント

 

1)肺脂肪梗塞と同じで、低酸素血症による脳障害のレベルが後遺障害の対象となります。

 

意識障害が認められるも、気道が確保され、入院による呼吸管理で低酸素血症に至らないときは、通常は、後遺障害を残しません。

 

2)顔面の溶血と腫脹、眼瞼結膜の点状出血も、時間の経過で吸収され、改善が得られます。

 

 

この記事を書いた人

弁護士法人江原総合法律事務所

埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。

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