96 足根骨の骨折 距骨々軟骨(きょこつこつなんこつ)損傷

 

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距骨骨折のところで、「距骨表面の80%は関節軟骨で覆われ、筋肉が付着していないこともあって、血流が乏しいのを特徴としています。」と記載しました。

足関節を骨のパーツで見ると、距骨は、脛骨と腓骨で挟み込まれるソケット構造となっています。

そして、距骨は、距骨滑車で脛骨や腓骨と、距骨頭で舟状骨と、前・中・後距骨で踵骨と関節面を形成しており、これらの表面は軟骨で覆われているのです。

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距骨々軟骨損傷は、距骨々折ほど重症例ではありませんが、足首の捻挫に合併する代表例です。

オレンジ色の線は、足首の捻挫で、伸びたり切れたりすることの多い前距腓靭帯です。

青い丸の部分は、距骨々軟骨損傷で痛みを感じるところです。

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足関節を、底屈時に、内返し捻挫すると、前距腓靱帯を損傷、断裂することも珍しくありません。

このときに、距骨と脛骨が衝突し、衝撃で、距骨内側の軟骨を損傷するのです。

背屈時の内返し捻挫では、腓骨と接する距骨外側で軟骨が損傷します。

軟骨損傷は、軟化に始まり、亀裂→分離→遊離と重症化していきます。

 

多くの整形外科医は、前距腓靱帯損傷を伴う足関節捻挫と診断しますが、専門医であれば、距骨々軟骨損傷を見逃しません。

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①軟骨の軟化      ②軟骨の亀裂    ③軟骨の分離     ④軟骨の遊離

 

MRIにより、確定診断がなされています。

①②では、足関節のサポーターの装用、もしくはギプス固定で経過観察となります。

③④であれば、関節鏡により軟骨の除去術が選択されます。

関節鏡によるオペであっても、10日~2週間の入院が必要となります。

損傷の大きさとステージによって異なりますが、歩行は術後3週間で可能で可能となりますが、日常生活の復帰に約3カ月、スポーツの再開となると、45カ月を要します。

 

距骨々軟骨損傷における後遺障害のポイント

 

距骨々軟骨損傷の後遺障害は、損傷部の疼痛と、足関節の可動域制限です。

受傷直後に、専門医が軟骨損傷を診断、治療を行ったときは、後遺障害を残すことは少ないのです。

もちろん、交通事故外傷ですから、広い範囲に軟骨損傷が認められるときは、149号、1213号の痛みや、127号の運動制限を残すことも予想されます。

 

問題となるのは、足関節の捻挫、前距腓靱帯損傷で放置されたときです。

放置されたまま、第4ステージまで重症化すると、遊離した軟骨により、周囲の軟骨が損傷し、軟骨損傷の範囲が大きくなり、変形性足関節症を発症する可能性があります。

この記事を書いた人

弁護士法人江原総合法律事務所

埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。

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