2 高次脳機能障害を誘発しやすい傷病について

高次脳機能障害を誘発しやすい傷病としては、①脳挫傷、②びまん性脳損傷・びまん性軸索損傷、③外傷性脳室出血、④急性硬膜下血腫、⑤外傷性くも膜下出血などがあります。

 

① 脳挫傷とは、頭部に対する強い力が原因となり局所の脳組織が挫滅・砕けた状態(頭部の打撲状態)をいいます。症状としては、頭痛、嘔吐感、意識障害が認められます。衝撃を受けた部位の反対側にも損傷をきたすことがあるのが特徴です。

 

② びまん性脳損傷・びまん性軸索損傷とは、頭部に回転性の外力が加わることで、脳全体、または、脳の神経細胞の線維(これを軸索といいます)が広範囲にわたって断裂し、その機能を失ってしまうことをいいます。「びまん性」とは、病変がはっきりと限定されず広範囲にわたっていることをしめします。
びまん性軸索損傷・びまん性脳損傷では、受傷直後から意識失っていることが通常です。交通事故の被害にあわれ、病院に搬送され、受傷直後から6時間を超える意識障害が認められるとき、この傷病の診断がなされることが一般です。この傷病では、手術はほとんど効果がなく、通常、この傷病と診断されると、極めて深刻な後遺障害すなわち高次脳機能障害となることが予想されます。

 

③ 外傷性能室出血とは、脳の中心である脳室とよばれる空洞の部位に外傷が原因となって出血が生じた状態をいいます。脳室の内部は脳脊髄液で満たされており、その脳脊髄液はいくつかの脳室を順に流れていきますが、脳室内出血によって脳脊髄液の流れが滞ると、脳室が急速に拡大し、周囲の脳を圧迫します。徐々に流れが滞り、脳室が肥大化した場合は、正常圧水頭症と診断されます。脳挫傷などによって脳室の壁が損傷を受け、そこからの出血が脳室内に滞ることで脳室内出血を引き起こします。
受傷後の症状としては、激しい頭痛、嘔吐、意識障害などが認められ、一般には早急に手術が必要になります。

 

④ 急性硬膜下血腫とは、例えば交通事故などで頭部に衝撃が加わり、頭蓋骨の内側で硬膜(脳を包んでいる頭蓋骨の内面に張り付いている膜です。)と、脳の間に出血が溜まった状態をいいます。先に説明した脳挫傷の病変が発生した部位の対角線上にこの急性硬膜下血腫が認められることも少なくありません。症状としては激しい頭痛、嘔吐感、意識障害などが認められます。血腫による圧迫が進み脳ヘルニア状態になると、死に至ることもあるので注意が必要です。

 

⑤ 外傷性くも膜下血腫とは、脳を包んでいる髄膜(硬膜、くも膜、軟膜)の3層のうち、くも膜と脳の間の出血をくも膜下出血といいます。交通事故による外傷を原因とする場合、「外傷性」くも膜下出血と診断されています。先に述べた脳挫傷と併せて診断されることが多いです。症状としては、出血の範囲等によって異なりますが、激しい頭痛や嘔吐感が見られます。脳表部の部分的なくも膜下出血であれば予後は良好とされますが、広汎な出血がみられる場合や脳底部の出血となる場合は、深刻な後遺障害も予想されます。

なお、頭部外傷の傷病名のうち、急性硬膜外血腫にとどまり、幸いにも受傷後の意識障害がみられない場合、高次脳機能障害とならないことが多いです。脳と接する硬膜「下」血腫ではなく、脳を包む硬膜の「外」の血腫(そのため硬膜外血腫とよばれます)であり、脳への器質的損傷がないためと考えられます。

 

以上に述べたような傷病の診断を受けた場合、重篤な後遺障害(高次脳機能障害)になることが予想されます。高次脳機能障害が予想される交通事故事案では、適切な知識と経験をもった弁護士に相談することをお勧めします。当事務所ではこれまで数多くの高次脳機能障害の案件を処理しておりますので、高次脳機能障害でお悩みの方・ご家族の皆様は、ぜひ一度お気軽にお問合せください。

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