手根管症候群 (しゅこんかんしょうこうぐん)

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正中神経は、手根関節、手首の関節の手のひら側のくぼみの辺りに存在する手根管靭帯などで形成された、手根管と呼ばれるトンネルを通り、支配する指に枝分かれします。
手根管症候群とは、手根管が障害されたことによる正中神経麻痺です。
手根管症候群の原因は種々ありますが、交通事故では、橈骨遠位端骨折、特にコーレス骨折、月状骨脱臼等により発症しています。
フォルクマン拘縮でも、手根管症候群を発症しています。

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示指・中指を中心に痺れ、痛みが出てくるのが特徴で、親指・環指にもおよぶことがあります。
痺れや痛みは就寝後、明け方に出てくることが多く、手首を振ると少し楽になります。
親指の付け根の母指球が痩せ始め、これらの指を使って細かい作業ができなくなり、OKサインもできなくなります。
手の掌の関節部をゴムハンマーで叩くと示指・中指に痺れ、痛みが響きます。
これを、チネルサイン陽性、チネル徴候を示すと言います。
詳細は、正中神経麻痺で説明をしていますが、手は、猿手変形を示します。

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ファレンテスト

 

両手を上図のような状態で約1分保つと、手根管症候群の場合、正中神経領域に痺れや疼痛を生じます。このテストをファレンテストと言います。

正中神経が手首のところにある手根管というトンネルの中で圧迫されて起こる神経障害で、神経伝導速度や筋電図検査が実施され確定診断が行われます。
軽度のものは保存療法が中心となっています。
手首の安静を保つことが重要で、手首に夜間、装具を装用させ、固定します。
痛みが強い場合は手根管部にステロイド注射が行われます。

保存療法で改善がみられないケース、母指球の筋萎縮が進行する場合は手根管開放術の適用ですが、この手術は局所麻酔下で実施されますので入院の必要はありません。

術後は3週間程度のギプス固定を実施し、手首の安静を保ちます。
最近では、関節鏡下にオペが実施されており、治療期間も短くなっています。

手根管症候群の症状に親指、人差し指、中指腹の知覚異常を説明していますが、親指・人差し指の知覚は、生活の上で重要な働きが認められ、これをカバーするために、小指の神経と皮膚を親指に移植、神経血管柄付き島状皮膚移植がなされることもあります。
正中神経麻痺・前骨間神経麻痺・手根管症候群における後遺障害の後遺障害のポイント

1)正中神経は、手の鋭敏な感覚と巧緻性をコントロールしています。
正中神経は、親指~環指母指側1/2までの、手のひら側の感覚を支配し、前腕部では前腕の回内や手関節、手指の屈曲、そして母指球筋を支配しています。

肘の少し上で正中神経と分かれる前骨間神経は母指の第1関節の屈曲と示指の第1関節の屈曲をする筋肉などを支配しているのですが、皮膚の感覚には影響力がありません。

2)正中神経が、肘の部分で切断・挫滅すると、母指球筋=親指の付け根の筋肉が萎縮し、手は猿手変形を示し、細かな手作業はできなくなります。
手関節と小指を除く4指の屈曲ができなくなり、前腕の回内運動も不能となります。
重度では、手関節や手指に強烈なしびれ、疼痛を発症します。
手関節の機能障害で10級10号、4の手指の用廃で8級4号、併合7級の認定となります。

3)正中神経が、手関節周辺で切断・挫滅すると、母指球筋が萎縮、手は猿手変形を示し、細かな手作業ができなくなります。
小指を除く4指の屈曲ができなくなり、痺れ、知覚障害、疼痛を発症します。
母指対立運動=OKサインも不能となります。
4の手指の用廃で8級4号が認定されうるところです。

4)尺骨神経麻痺は、絞扼・圧迫された部位により、肘部症候群、ギヨン管症候群と呼ばれていました。
正中神経麻痺も、上記に同じく、絞扼・圧迫された部位により、前骨間神経麻痺、手根管症候群と呼ばれています。

5)正中神経の切断や挫滅であれば、完全な神経麻痺であり、通常は後遺症が残ってしまいます。
さらに、前骨間部や手根管部で絞扼・圧迫を受けての神経麻痺も多くあり、これらは、正中神経麻痺、前骨間神経麻痺、手根管症候群が診断されずに、上腕骨顆上骨折、橈・尺骨の骨幹部骨折、手関節の脱臼・骨折、手掌部の開放創などの治療のみが行われ、神経麻痺が放置されることも多いようです。

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