130 ACL前十字靱帯損傷(ぜんじゅうじじんたいそんしょう)

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膝は太ももとすねの骨をつなぐ関節で、膝には内側側副靭帯、外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯の4つの靭帯が存在します。

内・外側側副靭帯は上下の骨が、横方向、左右にずれるのを、前・後十字靭帯は前後にずれるのを防止しています。

 

前十字靭帯は、大腿骨の外側と脛骨の内側を結び、脛骨が前にずれるのを防いでいます。

その目的から、前十字靭帯は、膝関節の安定性を保つ上では1番重要な靭帯です。

膝を伸ばしているとき、この靭帯は、張っている状態です。

交通事故では、膝を伸ばして踏ん張っているときに、膝を捻ると前十字靭帯損傷が起きています。

 

交通事故では、バイクを運転中の事故に多く発生、ほとんどは、断裂で、なにかが切れたような、ブチッという音を感じたと、多くの被害者から聞いています。

関節内は大量に出血して腫れ上がります。

 

前十字靭帯損傷は、lachmanテストで診断を行います。

靭帯が断裂していれば、当然、膝がグラつくのですが、そのグラつきの有無や、特性を、このテストで確認します。

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膝を1520°屈曲させ、前方に引き出します。

前十字靭帯断裂のときは、脛骨が異常に前方に引き出されます。

lachmanテストで大まかな診断がつきますが、損傷の程度を知るために単純XP撮影、CTスキャン、関節造影、MRI等が実施されます。 MRIがとても有効です。

 

ストレスXP撮影

 

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脛骨を前方に引き出し、ストレスをかけてXP撮影を行います。

断裂があるときは、脛骨が前方に引き出されて写ります。

後遺障害診断書には、○mmの前方引き出しを認めると記載をお願いしなければなりません。

 

関節鏡

関節鏡で直接、前十字靱帯や半月板損傷を確認することが可能です。

 

受傷直後は、膝を固定し患部を氷水でアイシングします。

一度断裂した前十字靭帯は自然につながることは無いようです。

軽症例に対しては、大腿四頭筋やハムストリング筋などを強化する、保存的治療が行われているようです。

 

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前方引き出しテストで、すねが太腿より前に異常に引き出される状態では、膝崩れを頻発し、半月板損傷を引き起こします。この場合、手術により靭帯の再建をおこなうようです。

 

その他では、痛みや腫れがひいた受傷46週間後に、関節鏡下において自家靭帯で靭帯再建術を行なうケースもあるようです。

 

ストレスXP撮影で10㎜以上の動揺性が認められる場合は、手術の対象となるようですが、極めて高度な技術を必要とします。

膝関節外来が設置されており、膝の専門医のいる医大系の総合病院を選択しなければなりません。

 

ACL前十字靱帯損傷における後遺障害のポイント

 

1)膝関節に動揺性が認められ、日常や仕事上に大きな支障が認められ、通常歩行に、常時、装具の必要性のある場合は、1関節の用廃で87号が認定され得ます。

 

2)受傷から時間が経過し、陳旧性損傷となっているときは、手術によっても治療はより難しくなるようです。

 

3)常時、固定装具を装着する必要性のないものは、1011号が、重激な労働に限って、固定装具の必要性のあるものは、127号の認定が想定されます。

 

4)後遺障害の立証には、ストレスXP撮影が必要となります。

ストレス撮影で、58mmの動揺性が認められれば、127号、810mm1011号、12mm以上で87号が、一つの目安です。

 

この記事を書いた人

弁護士法人江原総合法律事務所

埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。

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