116 右肘内側々副靱帯損傷(ないそくそくふくじんたいそんしょう)

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肘関節は、上腕と前腕を連結しており、上腕骨、橈骨、尺骨の3本の骨で構成されています。
前腕部の内側、小指側に尺骨、外側、親指側に位置するのが橈骨です。
肘関節の両側には、肘関節が横方向に曲がらないように制御している側副靭帯があります。
内側々副靱帯は、上腕骨と前腕の内側にある尺骨を、外側々副靱帯は、上腕骨と前腕の外側にある橈骨を連結しています。
交通事故では、自転車、バイクからの転落で手をついたときの衝撃力が肘に作用して、内側々副靱帯を損傷し、肘関節脱臼に伴うものと単独損傷の2種類があります。
内側側副靭帯損傷の症状ですが、受傷直後から肘の激痛と腫れが出現、激痛のため、肘関節を動かすことができなくなります。
内側側副靭帯損傷では、上腕骨内側上顆の下端に圧痛が認められ、外反位で疼痛が増強し、不安定性が認められます。
XPでは判別が難しく、MRI、エコー検査で確定診断がなされています。
治療は、2、3週間のギプス固定が行われ、その後は、ギプスをカット、リハビリ運動が始まります。
外側々副靭帯損傷は、肘関節の脱臼に伴うものがほとんどですが、受傷後、時間が経過してから、肘の引っかかり感、外れそうになる感じ等が問題となります。後外側回旋不安定テストを行い、肘が外れそうな感じ、クリック音を調べます。
小児の上腕骨外側上顆剥離骨折を伴う外側々副靭帯損傷では、骨片の整復固定術が必要です。
陳旧性の外側々副靭帯損傷に対しては、靭帯再建術が実施されています。

肘内側々副靱帯損傷における後遺障害のポイント 

1)交通事故外傷の内側々副靱帯損傷は、軽度から中等度であれば、テーピングや短期間のギプス固定を行えば、リハビリ期間も含めて3カ月もあれば、後遺障害を残すことなく治癒しています。
強烈な打撲で、靱帯が引きちぎられたときでも、靱帯縫合、ギプス包帯、その後のリハビリで改善が得られ、後遺障害を残すことはありません。
2)問題は、適切な治療が行われなかったときです。
後遺障害の対象は、肘内側部の痛み、動揺性、機能障害です。
内側々副靱帯損傷が確定診断され、ギプス固定がなされたときでも、その後のリハビリに無関心で放置されたときは、肘関節の拘縮で機能障害を残すことがあります。
もう1つのパターンは、肘関節打撲と診断し、内側側副靱帯損傷を見落とすことです。
この場合、側副靱帯の損傷はMRIで、不安定性は、ストレスXP撮影で立証します。

この記事を書いた人

弁護士法人江原総合法律事務所

埼玉・越谷地域に根差し、交通事故に豊富なノウハウを持つ江原総合法律事務所の弁護士までご相談下さい。交通事故分野における当事務所の対応の特徴は、「事故直後」「後遺症(後遺障害)の事前認定前」からの被害者サポートです。適切なタイミングから最適なサポートをいたします。

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