265 視神経管骨折 (ししんけいかんこっせつ)

 

 

    視神経の走行

①眼球 ②視神経 ③視神経管 ④視交叉 ⑤後頭葉視中枢

 

視神経管骨折とは、眼と脳をつなぐ視神経を包み込んでいる視神経管に骨折が生じたもので、外傷の衝撃で、視神経の周囲の骨が骨折し、視神経の圧迫や切断が予想される傷病名です。

代表的には、眉毛の外側部を強打することで、視神経管の骨折が多発しています。

 

交通事故では、歩行者、自転車やバイクの運転者の転倒、墜落により発症しています。

 

視神経管骨折では、視神経の損傷により、直後から、視力低下や視野狭窄、直接対光反射の減弱の症状が出現し、目からの大量出血、激痛、目の腫脹が見られ、重度では、意識障害やショック状態を呈します。

 

ペンライトで瞳孔に光を入れる対光反射検査、細隙灯顕微鏡検査、眼底・視力・視野の検査、さらに視神経管撮影、頭部のCT、MRIなどの画像診断で骨折や出血を確認、診断します。

 

※視神経萎縮

直像鏡で眼底部をチェックすると、視神経は、血色が悪く、黄色味がなくなり、白く変化しています。

これを視神経萎縮と言い、視神経の切断では、2、3週間の放置で視神経萎縮は完成します。

 

視神経管骨折における後遺障害のポイント

 

1)失明の立証について、視力低下の立証について

失明とは眼球を失ったもの、明暗を区別できないもの、ようやく明暗を区別できるもの、つまり矯正された視力で0.01未満を言います。

 

 

イラストは手動弁と指数弁を表示しています。

手動弁とは、被害者の眼前で手を上下左右に動かし、動きの方向を弁別できる能力を言います。

指数弁とは、被害者に指の数を答えさせ、距離によって視力を表します。

1m/指数弁=視力0.02、50cm/指数弁=視力0.01に相当します。

暗室において被害者の眼前で照明を点滅、明暗を弁別させる光覚弁(明暗弁)がありますが、いずれも失明の検査となります。

 

1眼が失明し、または1眼の視力が0.02以下になったものは、8級1号が認定されています。

 

2)視力の低下について、

眼の直接の外傷による視力障害は、前眼部・中間透光体・眼底部の検査で立証します。

 

 

スリット検査       直像鏡

前眼部と中間透光体の異常は、スリット検査で調べます。

眼底部の異常は、直像鏡で検査します。

 

視力検査は先ず、オートレフで裸眼の正確な状態を検査します。

例えば、水晶体に外傷性の異常があれば、エラーで表示されるのです。

その後、万国式試視力検査で裸眼視力と矯正視力を計測します。

 

 

オートレフ

 

前眼部・中間透光体・眼底部に器質的損傷が認められるとき、つまり、眼の直接の外傷は、先の検査結果を添付すれば後遺障害診断は完了します。

 

これらで明らかな異常所見が認められないときは、電気生理学的検査、ERG(electroretinogram)を受けなければなりません。

 

ERG

 

最後に、視覚誘発電位検査、VEP(visual evoked potentials)です。

これは眼球の外傷ではなく、視神経損傷が疑われるときの検査で、網膜から後頭葉に至る視覚伝達路の異常をチェックします。光刺激によって後頭葉の脳波を誘発し記録します。

 

 

視力の低下による等級は、以下を参照してください。

 

 

この記事を書いた人

弁護士法人江原総合法律事務所

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