後遺障害認定のポイント125)膝窩動脈損傷(しつかどうみゃくそんしょう)

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鼠蹊部から膝上部まで走行する大腿動脈は、膝窩を通るところで膝窩動脈と名を変えます。

※膝窩とは、膝の後ろのくぼんだ部分、○印です。

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膝窩動脈損傷は、圧倒的にバイクと自動車の衝突で発生しています。

大腿骨果部骨折、膝関節脱臼、脛骨・腓骨開放骨折、これらの傷病名に合併することが多く、血行再建が遅れると、膝上切断となる重症例です。

 

交通外傷による膝窩動脈損傷では、骨折や関節・筋損傷などの複雑な病態を合併することが多く、血行再建や観血的整復術は、専門医が担当すべき領域です。

 

交通外傷による膝窩動脈損傷では、虚血症状が遅発性に発症することが多く、まず、可及的速やかに膝窩動脈損傷を診断し、整復術に先行して血行再建術を行うことが重要とされているようです。

 

膝窩動脈損傷における後遺障害のポイント

 

1)血管損傷の症状は、5つのPに代表されます。

PUFFINESS=著明な腫れ、

PAIN=疼痛、

PULSELESSNESS=動脈拍動の減少ないし消失、

PALLOR=下腿の蒼白、冷感、

PARALYSIS=知覚異常、

 

上記の5つ以外にも、斑状出血が認められることがあります。

※斑状出血とは、破れた血管から漏れた血液が、皮膚組織や粘膜に入り込んでできる小さなアザのことで、直径3mm未満を点状出血、直径2cmまでを斑状出血、さらに大きなものは、広汎性皮下出血と呼ばれています。

 

通常の診断では、まず足背部で動脈の拍動を触れることで、確定診断は、血管造影となり、血管損傷があれば、緊急手術で血管再建術が実施されているようです。

 

ところが、膝窩動脈損傷の見逃される率は高く、その原因として、

①典型的な5つのPが認められない動脈損傷が多いこと、

②初診で、足背動脈が僅かながら触知でき、経過観察となったものなど、

臨床症状の不確実さが指摘されています。

 

2)見逃されたことで、観血的整復術までに長時間経過したものは、膝上切断の可能性があります。

 

31下肢を膝関節以上で失ったものは、45号が認定されています。

労働能力喪失率は92%、自賠責保険の後遺障害保険金の上限は1889万円です。

裁判所での一般的な基準を前提にすれば、後遺障害慰謝料は、1670万円、たとえば被害者が37歳男性で、前年度の所得が580万円であれば、逸失利益は、580万円×0.92×15.3728202万円程度の認定が予想されます。

もちろん、個別具体的な事実関係によって、賠償額は上下することをご了承ください。

 

 


 

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